民事信託

成年後見とは
成年後見と民事信託の比較

こんな相談者はいませんか?

 不動産オーナーの相続対策を数年にかけて実行する必要があるが、認知症になる可能性があり、 将来資産の組替え、売却、賃貸等を継続することができるかどうか不安
 自分は元気、認知症の配偶者に財産を遺したいが、その後の財産管理ができない
 空き家問題、一人暮らしの親の実家の管理(売却・賃貸・リフォームして再利用)をどうしようか考えている
 一次相続で相続税対策で全財産を配偶者が相続したものの、その後の財産管理をどうしたら良いかわからない
 相続人と共有で財産を相続してしまった
 相続人の中に行方不明者がいる?
 相続税・所得税対策で法人化を検討しているが、不動産流通税が心配 

今まで提案方法がなかった・あっても高額な税金がかかる・現実的ではない

でも、これらをまとめて解決できる選択肢が

 民事信託 です。

各種資産承継・財産管理制度の弱点

①生前贈与

  ◎贈与税、不動産取得税(3又は4%)、登録免許税(2%)が発生

②財産管理会社への資産移転

  ◎不動産流通税(登録免許税(1.5又は2%)不動産取得税(3又は4%))が発生

③財産管理委任契約

  ◎認知症になった場合、不動産処分等の本人確認ができない

④任意後見制度・成年後見制度

  ◎「本人のための制度」のため自由に財産が動かせず凍結する

⑤遺言・死因贈与

  ◎撤回ができてしまう、二次相続以降の指定ができない
  ◎遺言者が心を込めた遺言が相続人の合意(遺産分割)で反故にされてしまう可能性がある
  ◎遺言・死因贈与で定めた不動産が簡単に成年後見人に処分されたり、特定の者に遺贈するとした預貯金が払い出し又は後見制度支援信託により、信託銀行に預け替えされてしまい、受遺者に渡らなくなってしまう可能性がある
  ◎死因贈与の場合、不動産取得税と登録免許税が高い

従来の生前対策と民事信託の違い

従来の生前対策と民事信託の違い
それぞれの段階の悩み
ステージ1
「円滑な財産管理」「隠居したい(財産管理を任せたい)」
◎不動産や株式が共有になると共有者全員の同意が必要で円滑に管理できない
◎贈与税が高すぎて生前に名義を子どもに変更できない
ステージ2
「財産の凍結を避けたい」
◎成年後見人がつくと財産の凍結は避けられず、その後は相続対策・柔軟な財産管理ができない
ステージ3
「争続にしたくない」
◎遺言をしても遺留分の問題からは逃れられない
ステージ4
「先の代まで財産の道筋をつけたい」
◎民法では遺言の書き合いしかない

民事信託なら、すべてのステージの対策が可能に!

民事信託とは?

民事信託の仕組み

民事信託とは?
「融通のきく資産承継対策」 「高齢者や障がいのある方のための財産管理」として話題にのぼっているのが、民事信託です。資産を信託銀行・信託会社等に預けるのではなく、信頼できるご家族・親族に、財産を信じて託します。家族間で行うため、費用をさほどかけずに資産承継と財産管理を行うことが可能になります。

信託がスタートすると①

財産の名義が形式的に「受託者」に移ります。

受託者は、信託された財産を自身の財産と分けて管理します。

各種名義変更手続き

不動産
 ◎受託者に対する所有権移転及び信託の登記

②金融資産
 ◎受託者が信託用口座(委託者〇〇受託者〇〇信託口)を作り、金銭や家賃収入を管理する

③非上場株式
 ◎決算書の別表2の株主記載が変更される
 ◎譲渡制限がかかっている株式は、会社の承認を得て名義書換

ポイント
所有権は形式的に移転しますが、本当の所有者は受益者です。

信託がスタートすると②

信託不動産の登記簿記載例

信託がスタートすると②

信託がスタートすると③

信託口口座の開設

受託者は信託財産と個人財産との分別管理義務を負っています。
そのため受託者名義の信託専用口座を作成する必要があります。

信託口口座がないと…

  預かった金銭の振込、家賃の管理、現金の管理ができない!

信託口口座は金融機関によって取り扱いが異なり、

近くの金融機関に開設できるか否かを確認する必要がある。

※名ばかり信託口口座に注意
名ばかり信託口口座とは、名前だけの受託者名義の個人口座のこと。
受託者が亡くなると、相続財産として凍結されてしまい、相続人全員の遺産分割協議書がないと払い戻しができなくなり、本来の信託の趣旨とは異なってしまう。

※名ばかり信託口口座に注意

信託の方法

信託契約、遺言、信託宣言(自己信託)の3つの方法のうち、いずれかの方法によって信託を行うことができます(信託法3条)。なお、信託を設定するこれらの法律行為のことを「信託行為」と言います(信託法2条②)。

信託行為
(信託法2条②)
信託方法
(信託法3条)
原則的な効力発生時期
(信託法4条)
活用例
信託契約 委託者と受託者が契約を締結する方法 委託者と受託者との間の契約の締結 ◎認知症対策
◎共有化防止
◎その他
遺言 委託者が遺言をする方法 遺言の効力発生 ◎相続までは自分で財産管理を継続し、相続後の財産管理を託したい場合
(例:浪費癖のある子、認知症の妻に定期的な贈与をしてもらいたい)
◎遺した財産を全て信託財産としたい場合(遺留分等対抗型)
信託宣言
(自己信託)
委託者と受託者が同一のものである場合に、公正証書等に一定事項を記載又は記録する方法 公正証書の作成 ◎自分で財産を管理しつつ、権利は先に子どもに移したい場合
(例:株式評価が低い時期に権利だけ子に移す)

自益信託と他益信託①

自益信託(委託者=受益者)

例:アパート・マンション経営を息子に託す、商事信託の例:投資信託

信託の設定により、形式的な信託財産の所有者は受託者となります(信託法2条③、3)。
しかし、税務上は実質的に信託財産にかかる利益を得ることになる受益者が所有者とみなされます
委託者と受益者が同じ信託は、自分が利益を受ける信託ということで自益信託といいます。
自益信託の場合、信託の設定の前後で実質的な信託財産の所有者は変わらないため、信託の効力発生時に課税関係は生じません

自益信託と他益信託①

自益信託と他益信託②

他益信託(委託者≠受益者)

例:障がいを持つ母親の支援を息子に託す 商事信託の例:教育資金贈与信託、結婚・出産・子育

委託者と受託者が異なる信託は、他人が利益を受ける信託ということで他益信託といいます。他益信託の場合、信託の設定の前後で税務上の信託財産の所有者が変わるため、信託設定に際して受益権取得に対する適正な対価の授受がない場合には信託の効力発生時に委託者から受益者に対して贈与(委託者の死亡に起因して信託の効力が生じた場合には遺贈(例:遺言信託)があったものとみなされます(相続税法9条の2①)。

自益信託と他益信託②

信託受益権の評価

信託財産に属する資産・負債は受益者が有するものとみなされます。

信託受益権の評価額は、信託財産を「相続税法上の評価方法により評価した金額」評価されます(財産評価基本通達202(1))。

また、相続時においては信託財産に不動産が含まれる場合には、小規模宅地等の特例を適用することができます(租税特別措置法関係通達69の4-2)。

信託受益権の評価

信託財産の範囲と収益に対する課税

信託行為で定められた財産の他、信託財産の管理、処分、滅失、その他の事由によって受託者が得た財産も信託財産となります。(信託法16条)。例えば、「賃貸用不動産」が信託財産である場合、「その賃貸用不動産を賃貸して得た賃料」や、「その賃貸用不動産を譲渡して得た代金」、さらに「その代金で購入した新たな賃貸不動産」も信託財産となります。

信託財産の範囲と収益に対する課税

※信託財産から発生した収益・費用は、受益者に帰属する
※受託者は、金銭、家賃等を信託口(信託専用口座)で分別管理
※家賃収入は父親が申告(受益者課税)
※固定資産税は受託者に通知。信託財産から支払う(受益者負担)

信託の終了

信託が終了するパターン

①委託者及び受益者が合意したとき

信託行為において定めた事由が生じたとき

 (例:受託者と受益者もしくは受益者代理人の合意、受益者○○の死亡)

③信託の目的を達成したとき、又は信託の目的を達成することができなくなったとき

受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が一年間継続したとき

受託者が欠けた場合であって、新受託者が就任しない状態が一年間継続したとき

⑥信託財産が費用等の償還等に不足している場合において、受託者が一定の規定により信託を終了させたとき

⑦信託の併合がされたとき

⑧特別の事情による信託の終了を命ずる裁判等があったとき

⑨信託財産についての破産手続き開始の決定があったとき

⑩委託者が破産開始手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた場合において、信託契約の解除がされたとき

⑪不法目的で信託がされた場合等において、利害関係人の申立てにより、裁判所が公益確保のために信託の終了を命じたとき

受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は、当該信託がされたときから30年を経過したとき以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する(受益者連続型の論点) 

信託終了時の税務上の扱い

①受益者(父)=残余財産の帰属権利者(父)の場合(例:途中解除等)

信託終了の前後で経済価値が移動しないので、課税関係は生じません。

①受益者(父)=残余財産の帰属権利者(父)の場合(例:途中解除等)

②受益者(父)≠残余財産の帰属権利者(母)の場合

信託終了の前後で経済価値が受益者から残余財産の帰属権利者に移動するため、課税関係が生じる(相続税法9条の2④)。

②受益者(父)≠残余財産の帰属権利者(母)の場合

◎受益者(父)の死亡により信託が終了した場合

②受益者(父)≠残余財産の帰属権利者(母)の場合

信託業法の規制を受ける場合

親族間で委託者・受託者となるような信託の場合、基本的に信託業法の規制は受けません。

信託業とは、「信託の引き受けを行う営業」のことをいい、これを営む場合には内閣総理大臣の免許や登録を受ける必要があり、信託業法の規制を受けます(信託業法2条①、3、7①)。民事信託においても信託行為に定めをすれば信託報酬を受けることができますが、ここにいう「営業」に当たるかどうかについて、次のように考えられています。

◎信託業に対する規制の対象は、信託の引き受けの「営業」と規定され、反復継続性・収支相償性が要件と解されているが、この反復継続性の要件については、不特定多数の委託者・受託者との取引が行われ得るかどうかという実質に即して判断されている。

特定少数の委託者から複数回信託の引受けを行う場合には、反復継続性があるとは考えず、信託業の対象とはしない(反復継続性を不特定多数の委託者ひいては受益者との取引が行われ得るかという実質に即して判断している)。

不特定多数の委託者を予定していない場合には、信託業の対象とはならない。

信託業法の規制を受ける場合

民事信託の当事者をおさえる

信託関係人図

信託の当事者は、基本は、委託者、受託者と受益者です。
受益者を保護するために、信託監督人、受益者代理人や任意後見人をつけるかどうか、遺言を別途作成し遺言執行者をつけるかどうかなど、お客様の事情をヒアリングの上検討し、信託に関する当事者を設定していきます。

信託関係人図

受益者代理人とは

受益者代理人とは、その代理する受益者のために受益者の権利を行使する者を言います(信託法第139条①)。受益者代理人が設定されると、受益者は受託者監督等を除いて権利を行使することができなくなります(信託法139④)。

例えば、受益者が重度の知的障害者であったり認知症であったりする場合や、複数の受益者が存在する場合において受益者の権利を統一行使したいときなどに活用します。未成年者、成年被後見人、被保佐人及びその信託の受託者は受益者代理人となることができませんが(信託法第144条、124条)、それ以外の者は、個人・法人を問わず受益者代理人となることができます。

受益者代理人とは

受益者代理人の選任・権限・報酬

受益者代理人の選任

信託行為において受益者代理人となるべき者を指定する定めを設けることができます(信託法138条)。
 ◎信託契約に定めあり → 選任できる
 ◎信託契約に定めなし → 選任できない

Cf.信託監督人は信託契約に定めがなくても必要が生じた場合には利害関係人の申立てにより裁判所が選任することができますが、受益者代理人は定めがなければ選任することはできません。

受益者代理人の権限

受益者代理人には、信託行為に別段の定めがある場合を除き、その代理する受益者の権利(損失てん補責任等の免除を除く)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限があります(信託法139条①)。そして、その受益者代理人に代理される受益者は、受託者を監督する権利及び信託行為において定めた権利を除き、その権利を行使することができなくなります(信託法139条④)。
Cf.信託監督人→受益者は単独で権利行使可

受益者の権利  損失てん補責任の免除
受託者を監督する権利(受益者代理人)
 ◎信託事務の処理状況報告請求権
 ◎帳簿等の閲覧等の請求権
 ◎受託者の行為差止請求権  など
意思決定に関わる権利(受益者代理人)
 ◎受託者の利益相反に対する承認
 ◎受託者の辞任の同意
 ◎信託の変更の合意  など

受益者代理人の報酬

受益者代理人は、信託行為に受益者代理人が報酬を受ける旨の定めがある場合に限って、受託者に報酬を請求することができます(信託法144条、127条③)。

 ◎信託契約に定めあり → 報酬を請求できる
 ◎信託契約に定めなし → 報酬を請求できない

信託監督人とは

信託監督人とは、受益者が現存する場合に、受益者のために受託者を監視、監督する者を言います(信託法第131条①、132②)。

例えば、受益者が高齢者や未成年者であるなど、受益者が受託者を監視・監督することが困難な場合等に選任します。

未成年者、成年被後見人、被保佐人及びその信託の受託者は信託監督人となることができませんが(信託法137条、124条)、それ以外の者は、個人・法人を問わず信託監督人となることができます。

信託監督人とは

信託監督人の選任・権限・報酬

信託監督人の選任

信託行為において信託監督人となるべき者を指定する定めを設けることができます(信託法131条)。
 ◎信託行為に定めあり → 選任できる
 ◎信託行為に定めなし → 選任できない

※受益者が受託者の監督を適切に行うことができない特別の事情があれば、利害関係人の申立てにより裁判所が信託監督人を選任できます。

信託監督人の権限

信託監督人には、信託行為に別段の定めがある場合を除き、受益者が持つ「受託者を監督する権利」を受益者のために行使することができます。信託監督人がいる場合でも、受益者は受託者を監督する権利を有し、単独で権利を行使することができます。
 Cf.信託監督人→受益者は単独で権利行使可

受益者の権利

受託者を監督する権利(信託監督人)
 ◎信託事務の処理状況報告請求権
 ◎帳簿等の閲覧等の請求権
 ◎受託者の行為差止請求権  など
意思決定に関わる権利
 ◎受託者の利益相反に対する承認
 ◎受託者の辞任の同意
 ◎信託の変更の合意  など

別段の定めを活用することにより、一定の財産の処分(不動産の処分、一定額以上の支払など)をするには 信託監督人の同意が必要とするなど、受託者の権限を制限することもできます。

信託監督人の報酬

信託監督人は、信託契約に信託監督人が報酬を受ける旨の定めがある場合に限って、受託者に報酬を請求することができます(信託法137、127③)。
 ◎信託契約に定めあり → 報酬を請求できる
 ◎信託契約に定めなし → 報酬を請求できない

黒字決算を支援する3つのソリューション
K 継続MASシステム
F 戦略財務情報システムFX2
S 税理士法第33条の2による書面添付
病医院の新規開業・経営改善支援
三原総合経営グループ 三原康郎税理士事務所は
TKC全国会会員です

TKC全国会
TKC全国会は、租税正義の実現をめざし関与先企業の永続的繁栄に奉仕するわが国最大級の職業会計人集団です。
近畿税理士会所属

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